メディアリレーションズとは
広報活動を進める上で欠かせないのが「メディアリレーションズ」です。これは、企業や団体が記者や編集者などのメディア関係者と信頼関係を築き、継続的なコミュニケーションを図ることを指します。
スタートアップや中小企業の場合、大手のような潤沢な広告予算はなかなか確保しづらいかもしれません。そんなときに、メディアに自社の活動や商品・サービスを取り上げてもらうことが、認知拡大の大きなきっかけになります。いわば、「信頼される情報発信者」としてメディアと関わることで、企業の魅力や社会的意義を広く届けることができるのです。
とはいえ、記者といきなり仲良くなるのは難しい、と感じる方も多いと思います。そこで本記事では、広報初心者でも取り組めるメディアリレーションズの基本と、そのステップ、実践に役立つツールまで、具体的にご紹介していきます。
記者・編集者との関係を築く基本ステップ
メディアリレーションズは、信頼関係の上に成り立ちます。関係を築くためには、以下のようなステップを踏むことが大切です。
まずはリサーチから始める
自社の事業やサービスに関心を持ちそうなメディアや、関連するテーマを取り扱っている記者を探します。署名記事やSNSから、記者の関心領域や過去の記事内容をチェックしておくと、その後のアプローチが的確になります。
最初の接点は丁寧に
メディア関係者に最初に連絡を取る際は、メールが一般的です。このとき、件名は簡潔に、本文は読みやすく、無理に売り込まないのがコツです。例えば、「○○の情報提供が可能です」といった形で、相手の関心に寄り添う姿勢が重要です。
会える機会を大切にする
プレス向けイベントや業界セミナーなどで記者に直接会える機会があれば、積極的に活用しましょう。名刺交換をして、簡単に自己紹介をした後に、「今度改めてご挨拶できれば嬉しいです」と一言添えると、後の連絡がしやすくなります。
良好な関係を維持するためのポイント
関係を築いた後、信頼関係を維持していくには日々のコミュニケーションが大切です。記者にとって「信頼できる広報担当者」になることが目指すべき姿です。
情報はタイムリーに、正確に
メディア関係者が求めているのは、読者にとって価値のある「信頼できる情報」です。プレスリリースや取材対応では、情報の正確さ、スピード、そして裏付けの有無が重要になります。たとえば、数値データや顧客の声を含めることで、説得力がぐっと増します。
一方通行の連絡にならないように
記者への連絡が「お願い」ばかりになっていないか、定期的に見直すことも大事です。例えば、「最近このテーマで注目が集まっています。取材テーマの参考になればと思い、お送りします」といった“情報提供”というスタンスのコミュニケーションは、信頼を高めるのに役立ちます。
誠実な対応を心がける
誤解を招く表現や、無理なお願いは避けるようにしましょう。また、取材協力を断らざるを得ない場合も、必ず丁寧な返信を忘れずに。小さなやり取りの積み重ねが、信頼構築の鍵になります。
記者との関係構築に役立つツール
関係を築き、維持するためには、ちょっとしたツールの活用が非常に効果的です。以下に、広報初心者の方でも使いやすいツールをご紹介します。
メディアリストの作成と管理
まずは「誰に、どんな内容を、いつ連絡したか」を記録しておくのが基本です。媒体名、記者名、連絡先、過去のやり取りの履歴などを一覧にしておくと、次のアプローチがスムーズになります。
プレスリリース配信サービス
メディアリストが十分でないうちは、プレスリリース配信サービスを活用するのも手です。特定のカテゴリのメディアや記者に広くリーチでき、掲載されたメディアの確認も簡単に行えます。
SNS
最近では、記者自身がSNSで情報収集をしているケースも増えています。気になる記者をフォローして、その投稿に「いいね」やコメントをすることで、自然な接点を作ることができます。DM機能を使ったカジュアルな連絡も、時には有効です。
まとめ
メディアリレーションズでは、派手なスキルや華やかな人脈よりも、「相手に寄り添う姿勢」や「誠実な対応」が何より大切にされます。広報初心者であっても、基本を押さえて丁寧に取り組めば、記者や編集者との関係は少しずつ築けていきます。
焦らず、継続的にコミュニケーションを取っていくことが大切です。記者との信頼関係ができれば、自社のニュースがメディアに取り上げられるチャンスも自然と増えていきます。
ぜひ今回の内容を参考に、貴社ならではのストーリーを伝える第一歩を踏み出してみてください!