スタートアップで「広報もやっておいて」と言われて戸惑った経験はありませんか?あるいは、経営者として情報発信の重要性は感じているけれど、何から始めればいいのかわからないという方も多いかもしれません。
広報は、会社の顔として外部と信頼関係を築く重要な役割を担っていますが、専門用語も多く、業界特有の「お作法」なども見え隠れして、初めての方にはハードルが高く感じられがちです。
今回は、スタートアップの広報初心者や、広報未経験の経営者が陥りがちな「あるある」な悩みを5つピックアップし、それぞれに具体的な解決アドバイスをQ&A形式でお届けします。ぜひ肩の力を抜いて読んでみてくださいね。
広報って何をすればいいの
Q:まず、広報って何をすればいいのでしょうか?
A:広報の仕事は一言でいえば「自社の価値を社外に伝えること」です。とはいえ、最初は何から手を付ければいいのかわからないですよね。
具体的には、以下のような活動があります:
- プレスリリースの作成と配信
- メディアとの関係構築(記者への情報提供や懇談)
- SNSでの情報発信
- 自社ブログやオウンドメディアの運営
まずは、自社のビジョンや強み、サービスの特徴などを整理するところから始めましょう。発信の軸ができると、情報をどう届けるかも自然と見えてきます。
過去記事「広報不在のスタートアップ必見!ゼロから始める広報活動の第一歩」でも、最低限やるべきことリストを紹介していますので、参考にしてみてください。
メディアに取り上げてもらえない
Q:メディアに全然取り上げてもらえません……
A:メディア掲載には「ニュース性」と「タイミング」が重要です。ただサービスを出したというお知らせだけでは、メディアに興味をもってもらえません。
記者が求めているのは「世の中にとって意味がある情報」や「今この話題に関連するもの」。例えば、社会課題の解決に結びつく取り組みや、トレンドに絡めた発表はメディアの目に留まりやすいです。
また、記者の目線を知るには、実際に記者が書いている記事を分析してみましょう。どんなタイトルが使われているか、どんな切り口が多いかをチェックしてみてください。
さらに、地道な情報提供の積み重ねが信頼につながります。掲載されなくても、丁寧なやりとりを続けることが重要です。
過去記事「記者の関心を引き寄せるメディアフックとは?」で、メディアの関心を寄せるポイントを紹介していますので、参考にしてみてください。
プレスリリースの書き方がわからない
Q:プレスリリースってどう書けばいいですか?
A:基本の構成を押さえれば、初めてでも書けます。
プレスリリースの一般的な構成は以下の通りです:
- タイトル(伝えたいことを端的に)
- リード文(要点のまとめ)
- 本文(詳細情報、背景、数字など)
- 会社情報(会社概要)
- 問い合わせ先
リリースの目的は、記者に「取材してみたい」と思ってもらうこと。そのためには、ニュース性・社会性・わかりやすさが大切です。
過去記事「初めてでも書ける!プレスリリースの書き方入門」では、初心者でも書けるテンプレート例を紹介しています。基本を押さえたうえで、伝えたい相手(=メディアや読者)に合わせた形にカスタマイズして書いてみてくださいね。
SNSでの発信が難しい
Q:SNSで何を発信すればいいかわかりません。
A:SNSは「共感」と「人柄」を伝える場ですが、媒体ごとに適した投稿内容が異なります。それぞれのSNSの特性に合わせて発信を考えるのがコツです。
例えば:
- X(旧Twitter):業界ニュースへの一言コメント、イベントや製品発表のリアルタイム情報、担当者の主観的な気づきなど、スピード感と「人」が見える投稿が◎。
- Instagram:ビジュアル重視。社員の日常やオフィス風景、イベントの様子など、ブランドの“雰囲気”を伝える写真や動画が効果的。
- Facebook:少し長めの投稿や導入事例など、読み応えのあるコンテンツが好まれます。BtoBにも相性が良いです。
- LinkedIn:ビジネスパーソン向け。企業の取り組み、採用情報、経営者視点の投稿など、ややフォーマルな内容が向いています。
特におすすめなのは、プレスリリースなどの公式情報では語られない「裏側の出来事」や「担当者の主観的なコメント」。こうした発信は、共感を生みやすく、SNS全般にフィットしやすいです。
投稿の一例としては:
- 開発の裏話や失敗談(等身大の姿)
- 社員の日常やイベントレポート
- お客様の声や導入事例
- 社内で話題になった気づきや雑談
大切なのは、「完璧な投稿」よりも「信頼できる発信」。自社らしさやトーンを大事にしながら、少しずつ試していくのが成功の近道です。
過去記事「広報初心者が押さえたいSNS活用術」でも詳しく紹介していますので、参考にしてみてください。
成果が見えず広報活動を続けるのがつらい
Q:広報は成果が見えにくくてやる気が出ません……
A:広報は中長期的な効果を目指す仕事です。広告のように即効性があるものではありませんが、着実に積み重ねることでブランド力や信用につながります。
まずは、数値で見える目標を立ててみましょう。例えば:
- プレスリリースを月1本出す
- SNSのフォロワーを3か月で200人増やす
- メディア掲載数を半年で3本
また、目に見えにくい「効果」も記録しておくことが大切です。メディアからの反応、問い合わせ数の増加、採用応募が増えたなど、社内で小さな成果を共有する仕組みを作りましょう。
過去記事「ひとり広報ビギナーのための「効果測定の基礎とROIの考え方」」では、KPI設定のポイントと注意点を紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。
まとめ
広報は、初めて取り組むときには難しく感じるかもしれませんが、ポイントを押さえれば必ず形にしていける活動です。焦らず、まずは「伝える」経験を積み重ねていきましょう。
そして何より、社内外との信頼関係を築く広報は、長期的に見れば会社にとって大きな財産になります。この記事が、スタートアップの広報担当者や経営者の皆さんの手助けになれば嬉しいです!