“やりっぱなし広報”を卒業!活動を見える化するチェックリストのススメ

“やりっぱなし広報”を卒業!活動を見える化するチェックリストのススメ 広報お役立ちブログ

スタートアップや中小企業では、限られたリソースで広報活動を行っているケースが少なくありません。その中でよくあるのが、「プレスリリースは出したけれど、それっきり」「SNSは投稿したけど、反応を追えていない」といった“やりっぱなし”の広報です。

こうした状態を脱し、広報活動の価値を社内外にしっかり伝えていくためには、「見える化」がカギになります。本記事では、広報初心者や未経験の経営者でも実践しやすい「見える化チェックリスト」を使って、活動をきちんと振り返り、次につなげる方法をご紹介します。

“やりっぱなし広報”とは?なぜ起きる?

まずは、“やりっぱなし広報”の状態がどういうものかを整理してみましょう。例えば、以下のようなケースに心当たりはありませんか?

  • プレスリリースを出して終わり。掲載されたか確認していない。
  • SNSで投稿した内容の反応を見ていない。
  • メディアに送った資料がどのくらい開封されたか把握していない。
  • 広報活動が何かしらの成果につながったか、誰も分かっていない。

こうした状況が続くと、「広報って何をしてるの?」「効果があるのか分からない」といった声が社内から上がってきます。特にスタートアップでは、成果が見えづらい活動は「コスト」と捉えられてしまうことも…。

その背景には、広報活動の「記録」や「分析」にまで手が回っていない、という現実があります。ですが、やったことを“やりっぱなし”にせず、少しだけ立ち止まって振り返る習慣をつけることで、広報の価値はぐんと上がります。

活動を見える化する3つのメリット

“見える化”とは、広報活動を記録・分析し、その成果や課題を把握できる状態にすることです。これは決して難しいことではなく、Excelやスプレッドシートを使った簡単なチェックリストから始められます。

見える化によって得られる主なメリットは、以下の3つです。

① 社内への説明がしやすくなる
経営層や他部署に対して、「今月はこういう発信をして、これだけ反響があった」と報告できるようになります。数字や事例を交えた説明ができれば、広報への理解も深まります。

② 自分たちの強み・弱みが見えてくる
例えば「SNSでは定期的に発信しているけれど、プレスリリースの発信は滞りがち」といった偏りに気づくことができます。バランスのとれた戦略に近づけるヒントになります。

③ ノウハウがたまる
成功したリリースの内容や、メディアからの反応が良かったテーマなどを記録しておけば、次回の企画の参考にできます。広報の属人化を防ぎ、チームでの引き継ぎもスムーズになります。

今日から使える!広報チェックリストの作り方

では、実際にどのような項目をチェックすればよいのでしょうか。以下は、スタートアップの広報初心者でも取り入れやすいチェックリスト例です。

活動内容実施日目的配信先/掲載先反応・成果振り返りコメント
プレスリリース配信7/1サービス認知拡大PR TIMES、主要メディアメディア3件掲載、SNSで拡散時期がよく、掲載が多かった。次回もこの時期を狙う
SNS投稿(X)7/3イベント告知公式アカウントリポスト30件、PV増加タイトルがキャッチーだった。画像も工夫したい
メディア向け資料送付7/5個別取材の打診地方紙記者3名開封率未確認、返信1件送付時間が遅かったかもしれない。午前中を意識

このように、活動を記録することで「やったかどうか」だけでなく、「どうだったか」「次に活かせる点は?」が自然と見えるようになります。慣れてきたら、月ごとのまとめやKPI(例:例:掲載件数、SNSのいいね数やシェア数、プレスリリースの配信回数)も加えてみましょう。

また、あわせて「メディアコンタクトリスト(記者や編集者などの連絡先一覧)」を整備しておくのもおすすめです。広報担当者の記憶や個人メールに頼りがちな情報ですが、社内で共有できる形で一覧化しておくことで、問い合わせ対応やアプローチの履歴管理がぐっと楽になります。誰に、いつ、どのような資料を送ったのかを振り返る際にも非常に役立ちます。

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広報の“見える化”を社内で活かすには

スタートアップでは広報担当が一人だけ、あるいは他の業務と兼任していることがほとんどです。そんな状況でも、見える化した情報を上手に「社内共有」していくことで、広報の理解や協力を得やすくなります。

・週報や月報に広報活動を組み込む
「今月はプレスリリースを1本配信し、○○メディアに掲載されました」など、簡単な活動報告を社内向けに出すだけでも、他メンバーの関心が高まり、情報提供の協力などが得られやすくなります。

・Googleスプレッドシートで自分用の記録を整理しておく
いざ経営層や社外に説明する必要が出てきたときに、すぐに資料として活用できます。整理された記録は、提案や振り返りの場でも役立ちます。

・成果や気づきをメモとして残す
「記者からの反応がよかったのは○○の言い回し」「朝の配信はSNSで反応がよかった」など、実践で得た学びをメモに残しておけば、次回の発信にすぐ活かすことができますし、活動の積み重ねとして自分の強みや工夫の記録にもなります。

“ひとり広報”だからこそ、自分の活動を可視化しておくことは、社内の理解や評価につながる重要なステップです。

最初の一歩は、「振り返る時間を10分とる」ことから

「忙しくて、記録なんて取れない…」という方もいるかもしれません。でも、毎回ほんの10分でも振り返る時間をつくるだけで、広報活動は確実に前進します。

例えば、プレスリリースを配信したその日に「どういう反応があったか」「次に改善できる点は何か」を簡単にメモしておくだけで、次の一手が打ちやすくなります。

最初は完璧でなくても大丈夫です。できることから少しずつ見える化し、繰り返すことで「情報発信が楽しい」「やる意味がある」と実感できるはずです。

まとめ

“やりっぱなし広報”を卒業するには、活動を記録し、分析し、次に活かすサイクルをつくることが何より大切です。そのためには、まず「見える化」から始めましょう。

広報活動は、継続と工夫によって少しずつ成果が見えるようになります。そしてそれは、単なる作業ではなく、会社の“資産”となっていきます。

ぜひ、今日から「チェックリスト」を導入し、広報の見える化にチャレンジしてみてください。きっと、あなたの会社にとって広報がもっと“意味あるもの”になっていくはずですよ!

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