プレスリリースとSNS、どっちが効果的?

プレスリリースとSNS、どっちが効果的? 広報お役立ちブログ

「プレスリリース」と「SNS」の違い

スタートアップの皆さんが広報を始めるとき、まず迷うのが「プレスリリースとSNS、どっちを使えばいいの?」という点かもしれません。両者はどちらも情報発信の手段ですが、目的や伝わる相手、伝わり方に違いがあります

プレスリリースは、新聞社やテレビ局、Webメディアなどの報道関係者(=メディア)に向けて発信する、いわば「報道用の公式情報」です。内容は、新商品や新サービスのリリース、資金調達、提携発表など“ニュース性”がある情報が基本です。

一方、広報活動としてのSNSは、企業が直接ユーザーやフォロワーに向けて発信するものです。X(旧Twitter)、Instagram、Facebook、LinkedInなどのSNSプラットフォームを通じて、よりカジュアルに、リアルタイムで届けることができます。

つまり、プレスリリースは「メディアを通じて多くの人に届ける方法」、SNSは「自分たちのファンやフォロワーに直接届ける方法」だと捉えるとイメージしやすいでしょう。

プレスリリースの効果とは

プレスリリースの最大の強みは、信頼性と第三者視点による拡散です。メディアに取り上げられると、読者や視聴者から「信頼できる情報」として受け取られやすくなります。特にスタートアップや認知度の低い企業にとっては、信頼を得るための大きな武器になります。

例えば、あるIT系スタートアップが新しいAIサービスを発表し、新聞のWeb版に掲載されたとしましょう。すると、その記事を読んだ企業担当者や投資家、他メディアが注目し、さらに拡散されていく可能性があります。このように、一つの掲載が多くの露出につながることもあるのです。

また、過去の掲載実績があると、それが信頼の証明となって次の広報活動がやりやすくなるという副次的な効果もあります。これはSNSだけでは得にくいメリットです。

ただし、メディアが必ず取り上げてくれるとは限らず、「ニュース性」が必要になります。情報提供のタイミングや話題性を見極めて、丁寧に準備する必要があります。

SNSの効果とは

SNSの魅力は、手軽さとスピード感、そしてユーザーとの「つながり」を築けることです。例えば、新商品の写真をInstagramで投稿したり、社内イベントの様子をX(旧Twitter)でシェアしたりと、タイムリーな情報を日常的に発信することができます。

特にスタートアップにとっては、「中の人の声」や「人となり」が見えるSNSがファンづくりに効果的です。たとえば、開発秘話や失敗談をリアルに投稿することで、「応援したくなる会社」としての印象が深まります。

さらに、SNSはコメントやリポスト、シェアを通じてユーザーと直接やり取りができます。ユーザーの声を拾ってサービス改善につなげたり、共感を呼んで拡散されたりと、双方向のコミュニケーションが可能です。

とはいえ、SNSは投稿の鮮度が命。流れてしまうスピードも早いため、継続的かつ戦略的な運用が必要です。また、炎上リスクもゼロではないので、投稿内容やトーンには注意が必要です。

どちらが「効果的」かは、目的によって変わる

ここまで読むと、「結局どっちが効果的なの?」と思われるかもしれません。ですが実は、どちらが優れているかではなく、「目的によって使い分けること」が大切です。

例えば、以下のように考えてみてください。

  • 会社としての信頼性や社会的認知を得たい→プレスリリース
  • ユーザーとの距離を縮め、ファンを増やしたい→SNS
  • 新サービスを幅広く知らせたい→まずプレスリリースで報道、続いてSNSで紹介
  • 採用イベントを告知したい→SNS中心にカジュアルに発信

このように、同じ情報でも、発信手段によって届け方や効果が変わるのです。だからこそ、広報活動では「目的」と「ターゲット」を明確にして、戦略的に組み合わせることが効果を最大化するポイントになります。

両者をうまく掛け合わせるのがコツ

実際のスタートアップの現場では、プレスリリースとSNSを両方活用するケースがほとんどです。

例えば、自社アプリのリリースを発表する際には、まずプレスリリースを作成してメディア各社に配信。その後、掲載された記事をXやFacebookでシェアし、SNS公式アカウントでもユーザー向けに使い方を紹介します。社内メンバーの投稿も連携し、熱量のある情報発信ができます。

このように、「プレスリリースでメディアに拡げ、SNSで直接届ける」という連携は、特に限られた広報リソースで動くスタートアップにとって、非常に有効な技です。

最初はどちらか一方だけでもOKです。まずはできることから少しずつ始めて、慣れてきたら組み合わせてみてみましょう。柔軟なスタンスが、長く続く広報活動のカギになります。

まとめ

プレスリリースとSNS投稿、どちらが効果的か?という問いに対する答えは、「目的に応じて使い分け、必要に応じて組み合わせる」ことです。

広報初心者にとっては、わからないことだらけかもしれませんが、少しずつ発信を重ねていくうちに、メディアとの関係もファンとの距離も、自然と近づいていきます。

広報は「伝える力」だけでなく、「届け方の工夫」も求められる奥深い仕事です。ぜひ、あなたの会社らしい発信スタイルを見つけてみてください!

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